以前、「ウルシの実」のはなしを書きました。
今回は実の中にある「ウルシの種」のはなし。
ウルシの木は6月終わりに花が咲き、
その後たわわに実がなって、実の中には種が入っています。
こんなにたくさんの種があるのに、ウルシの木が足りなくなっているのはなぜでしょう。
■実は難しいウルシの種の発芽
こちらがウルシの種。平均4㎜x6㎜くらいの大きさ。
実はこの発芽、かなり大変なのです。
まずはたわわな実の半分ほどしか種が入っておらず、あとは空っぽです。
そして、種が入っていても、今度は種子を覆う固い蝋の成分を除去しなくてはなりません。これを脱蝋処理といいます。これが難関。
そして、この処理をしていても、種まき後の発芽率は10%程度と言われます。
現在、効率的に脱蝋処理を行うためには、なんと硫酸が使われています。
なんだか怖い気もしますが、それだけ蝋が固いということですね。
ほかには木灰と一緒に熱い湯に入れたり、
やすりやタイル等に擦りつけてはがす、という方法があります。
この小さな種を・・・と思うと、地道な作業です。
自然界では、鳥がこの種を食べて胃酸で消化されることによって脱蝋されて芽が出るはずなのですが、本当にそこまでこの頑丈な蝋が消化されるのか、実は今も完全には解明されていません。
■みんなでウルシの苗を育てよう!
去る2019年4月10日、ウルシスト®千晶もパートナーとしてお手伝いしているNPO法人ウルシネクストの活動として、ウルシの種の販売会が開催されました 。
場所は、東北支援を続けている日本航空(JAL)の本社ビル。
ウルシネクストの活動も支援してくださっています。
赤坂社長、清水専務をはじめ、多くの社員さんたち、そしてとても寒い日でしたが、そのなか天王洲まで足を運んでくださった一般の方たちのおかげで、この日用意したウルシの種125セットが完売しました。
ウルシネクストとパートナーの皆様と記念撮影。
今後、各自が発芽をさせて、苗を育て、1-2年後の植樹祭に持ち寄って、みんなでウルシの木を育てていこう、というプロジェクトのキックオフです。
発芽率10%と聞くとかなり難しそうではありますが、芽が出た時の喜びはきっと大きいですね!
私もかなり自信はありませんが、チャレンジしてみます。
この日、種を購入してくださった皆様も、ぜひがんばってみてください!
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